ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
その日の夜もヒロくんはわたしになにもしてこなかった。

いいのかなあ。

だけどそう思いながらもそのやさしさに甘えてしまう。


今日も背を向けるわたしを後ろから抱きしめて、逃げるわたしを追いかけてくる。


「もっとこっち寄れって」


その度にドキッとしていた。

逃げているのにそのセリフを待っているわたしもわたしだ。

でもいい加減、こんな女、ヒロくんも嫌だよね?

どうして裸になれないんだろう?


「……ごめんね」

「なにが?」

「……できなくて」

「それはこの間も話しただろ」


まるで欠陥品だ。

女としての役割も果たせていないなんて。

ヒロくんの隣にいるのは、やっぱりわたしじゃだめなのかもしれない。
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