ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「わたしからのご報告はありません」


きっぱりと言い切って。

でも本当のわたしは……突かれただけで粉々に砕けそうなくらいに脆くて、ヒロくんの瞳すらまっすぐ見ることができないほど自分に自信もなかった。

偽りの自分はもうすでに、ヒロくんに愛され続ける価値のない人間になっているのかもしれない。


「君も強情だね。谷本くん。でもそんなことを言っていられるのも今だけだがね。夕べの二人は実にいい雰囲気だった」


ヒロくんのスーツから香ったあの匂い。

楓ちゃんがいつもつけていたフレグランスの香りと同じだった。

だから二人が夕べ一緒だというのはわかっていた。
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