ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「あの!」


わたしは意を決して立ち上がった。

いつまでもいい子の振りをしているわけにはいかない。

ちゃんと言わないと。


「どうした? 谷本さん」


理事長もお箸を置いてわたしに注目している。もちろんお母様も。


「申し訳ありません! わたしが今日ここにお邪魔したのは、西倉千尋さんのことでなんです」

「西倉くんのこととは? 彼は楓の……」

「わたし、西倉さんとおつき合いしています。それで今日はそれをお伝えしたくてきました」

「谷本さんが西倉くんの?」


理事長は驚いてわたしを見上げる。

やっぱり知らなかったんだ。

だけどここで怯むことはできない。

わたしは拳を作り固く握りしめ、ありったけの勇気を振り絞った。


「わたしは今回のことがあって何度も彼を諦めようとしました。でも考えれば考えるほど別れたくないと思ってしまうんです。彼がいないと息もできない、立っていることもままならない、とにかくわたしがわたしじゃなくなるんです。お夕飯までごちそうになって言うことでないのはわかっています。でも……お願いします! 彼の縁談をなかったことにして下さい」
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