ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「谷本さん」
氷の世界からぽつり声が聞こえた。
理事長の声は興奮したわたしの声とは正反対に静かでそしてどこまでも緩やか。
どんな思いを抱いているんだろう。
わたしは理事長のことをまったく知らない。もちろん理事長も。今日、初めて会って少しだけ会話をしただけの関係。
そんな人間にいきなりこんなことを食卓で叫ばれたら、印象、最悪だよね。
もしかして、うちの会社と青葉総合病院の関係を悪化させてしまったのかもしれない。
いろいろなことが解決できたばかりだというのに。
新たな問題を作ってしまったのかも。
急に現実的な問題が襲ってきて、だけど震える身体を必死に庇い、全身に力を入れて押さえ込む。
すると長い沈黙を保っていた理事長が言葉をつなげた。
「楓からは西倉くんには相手がいることは聞いていたんだ。だけど、わたしはその相手の方の想いをちっとも考えることはなかった。ただ孫の幸せばかり。聞かせてもらえてよかったよ。自分がなにをしようとしていたのか、ようやくわかった」
「……理事長」
「すまなかったね。谷本さん」
「あの、じゃあ……縁談は白紙ということでいいのですか?」
「世良課長からわたしが間に入って口添えすることを断ると言われた。おそらく彼自身で解決する目途がたったからだろう。でもそこまで世良課長が必死になっていたのは、谷本さんのことがあったからだったんだな。これは白紙にするしかないな」
氷の世界からぽつり声が聞こえた。
理事長の声は興奮したわたしの声とは正反対に静かでそしてどこまでも緩やか。
どんな思いを抱いているんだろう。
わたしは理事長のことをまったく知らない。もちろん理事長も。今日、初めて会って少しだけ会話をしただけの関係。
そんな人間にいきなりこんなことを食卓で叫ばれたら、印象、最悪だよね。
もしかして、うちの会社と青葉総合病院の関係を悪化させてしまったのかもしれない。
いろいろなことが解決できたばかりだというのに。
新たな問題を作ってしまったのかも。
急に現実的な問題が襲ってきて、だけど震える身体を必死に庇い、全身に力を入れて押さえ込む。
すると長い沈黙を保っていた理事長が言葉をつなげた。
「楓からは西倉くんには相手がいることは聞いていたんだ。だけど、わたしはその相手の方の想いをちっとも考えることはなかった。ただ孫の幸せばかり。聞かせてもらえてよかったよ。自分がなにをしようとしていたのか、ようやくわかった」
「……理事長」
「すまなかったね。谷本さん」
「あの、じゃあ……縁談は白紙ということでいいのですか?」
「世良課長からわたしが間に入って口添えすることを断ると言われた。おそらく彼自身で解決する目途がたったからだろう。でもそこまで世良課長が必死になっていたのは、谷本さんのことがあったからだったんだな。これは白紙にするしかないな」