砂のオベリスク~第七大陸紀行~
この世界の旅人の言葉に、こんな軽薄なものがある。
あなたの傍で
何かが死を迎えたら、
憐れまずに
感謝なさい。
もしかしたらその死は、
ほかでもないあなたが
賜るはずだったのかも
しれないのだから。
出会ったのは、いつだったか。記憶に新しくは無い。
この数日で、私は二つの死を見た。
電球と、カゲロウと。
エンと私が無言で見守る中、大きな亡きがらはゆっくりと砂の中へ沈み、姿を消した。