砂のオベリスク~第七大陸紀行~

カゲロウ〜銃〜











 流れが速くなるにつれて、私の意識はハッキリとし、恐怖が膨れ上がってきた。

青年は暴れる舵を必死におさえ、ときどき歯を食いしばってうめき声を上げていた。



 青白い砂煙がたち、辛うじて地上に残った珊瑚がむごたらしく弄ばれるさまは、待ち受けるものに容赦や慈悲が無いことを物語っていた。



岩を砕くような音も聞こえるようになっていた。
はじめは砂がうねる音に隠れていたが、じょじょに大きくなり、しまいには、渦の中心方面に立つ砂の柱を伴う爆音になった。






「あれは食事ですな。ここのカゲロウはもっぱら珊瑚を食らうのですがね、
まあ、だからと言って、わざわざ餌を選ぶことはありゃしません。

私らが口の中に転がり込んだって、何とも思わないでしょうよ。

クジラの食事に似たり寄ったりですな。





つまり、このままいけば、私らは渦の主に一網打尽に食われるわけです」
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