砂のオベリスク~第七大陸紀行~

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 ここで、旅の主導は得体の知れない液体になる。



液体は案内とも逃走ともつかない所作で、エンとの距離を保ち続けた。



天井は青白い砂から重たい岩盤に変わり、しだいに洞穴らしい雰囲気が漂いはじめた。


しぼむように明るさが失せて、闇が目に張り付く。




 液体の中にある二つの目が明かりの役割をしたので、とくに困ることはなかった。
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