砂のオベリスク~第七大陸紀行~
その驚きははじめ、遥かから眺める星の散華に似ていた。
脳髄がショートした私は、身近にあった白い肩を掴み、無言で激しく揺さぶった。
エンはされるがままに頭を振り、長い髪はミルク色の星の川のように波打った
「ここがミュシャだって? 俺たちは今、ミュシャにいるってのか」
「うん、そうよ」
「まさか、そんな……信じられない! 本当にミュシャか」
「嘘じゃないわ。信じてくれる?」
「信じられない! ああ、ミュシャか、何てことだ。実在してたんだ。やった、やったな、エン、ありがとう。生きて辿り着けた」