はだかの王子さま
 お父さんも、星羅も今まで本当に、何も教えてくれなかったから。

 自分が暮らしている世界が、自分の思っていた通りの世界じゃないって判って驚いた。

 そして、とっても怖かったんだ。

 自分が。

 周りが。

 大きくその存在意義を変えていくただ中で、この何日間か、星羅も、お父さんもいないのが、とても怖い……!

「……真衣? 震えてるよ?」

 そう、心配そうに、顔を覗き込む星羅に、わたしは笑って見せた。

「だ……大丈夫よ!」

 姿を変えるとお化けに見える、ゴブリンニ十匹と、同居の上。

 フェアリー・ランドの向こうの世界からやってくる刺客って言うの、ハンパなく怖いけど!

「賢介とは、幼なじみで、今でもクラスメイトだし!」

 それなのに。

 シャドゥ・スパイダーなんて名前があったの、ちっとも知らなかったけど!

「星羅もお父さんも、忙しいんでしょ?
 早く、フェアリーランドに戻らなくちゃ……!」

 いかないで、怖いよぅ……

 なんて。

 とても、言えない。
 
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