はだかの王子さま
 いろんな感情を押し殺し。

 それでも、ありったけの笑顔で『行ってらっしゃい!』

 って、手を振ろうとした時だった。

 星羅は、ふわり、とわたしを抱きしめて、言った。

「やっぱり、僕、今日は、フェアリーランド行くのやめた」

「「「え!」」」

 わたしと、お父さんと、賢介。

 その場にいた全員が一斉に息を飲んだ後。

 お父さんと賢介のダメだしの声に、星羅が応えた。

 まず、その腕の中に包み込んだわたしに、ささやく。

「大丈夫、なんて真衣のウソつき。
 全然、ダメそうじゃん」

「そ、そんなことない……よ」

「だって、ゴブリン君だって、基本恥ずかしがり屋、だから。
 本体で居るより、デッキブラシとか、バケツの格好でそこらに居るんだよ?
 見た目、やっぱりお化けか、幽霊だし。
 真衣は、慣れるまで、悲鳴あげっぱなしじゃないかな?」

「う……うう」

 うぁ、図星! きっと、そうなる。

 しかも、本当は、残ってもらいたいの、山々で。

 ひ、否定が出来ないよぅ。
 
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