はだかの王子さま
 黙ったわたしの背中を、ぽんぽん、と叩いて、星羅は今度はお父さんと賢介に言った。

「四月三十日、二十四時の開門前には、僕も、必ず門の前に居ないといけないけどさ。
 その前の式典には、代役でも平気かなぁ、なんて。
 例えば、シャドゥ・スパイダーは、僕そっくりに化けられるよね?
 忍者だし」

「それこそ、無理ですってば!」

 星羅の言葉に、賢介は、あわあわと手を振った。

「確かにオレは、桜路さんの姿そっくりにはなれますが、それだけですからね!?
 事前に、細かい打ち合わせを、してるならともかく。
 桜路さんのクセも、好みも親しい人にばれないほどには、知りません。
 それに、何より。
 式典は、門に掛かっている十のカギを開いてゆくんでしょう?
 王家の血を引いていないと、一つだって開けられませんよ!」

 そもそも、そんなに簡単に代役が務まるのなら。

 真衣に嫌がられるこの身ではなく。

 最初っから桜路さんの影武者作戦で行きました、って賢介は、言う。

 その言葉に、星羅は、それも、そうだね~~とこめかみの辺りをぽりぽり掻いた。
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