はだかの王子さま
「ん、じゃ仕方ない。次、内藤」

 星羅に言われて、お父さんは、軽く目を見開いた。

「お前は……俺を使う気か?」

「だって君なら、門の鍵、開くよね?
 王家の血を引いた貴族の上、正式な門番だし」

「……確かにな。
 俺に流れる血だけで、鍵の六つは、開くだろう。
 他に鍵の構造を熟知している俺なら、更に三つは、裏技で開く。
 だけど、な。
 最後の鍵は、お前しか開けない。
 現王にそう、調整させられたまま、だが?」

「フツ~~映画とか、小説の場合。
 こっそり自分だけは、最後まで開くように調整しない?」

「現実は、そんなに甘く無いぞ!
 現王派の監視役達がずらっと並んで、睨んでいる中で調整したんだからな!
 九つ開けらるだけでも、凄い、と敬(うやま)え!」

 ふん、と鼻息荒くふんぞり返るお父さんに、星羅は、軽く肩をすくめた。

「で、建て前上。
 現王派が誰もいないってことになっている今、再調整は?」

「そんな都合良く出来るか、莫迦者 !
 鍵開けの調整は、俺と、お前と現王の三人が必要だ。
 ま、お前か王が死ねば開錠に関する全権利が、俺に来るし。
 俺が死ねば、その全てが真衣に移る」
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