はだかの王子さま
「桜路!」

「フルメタル・ファングってば!
 そんな怖い目で見なくたって、良いじゃないか。
 一応、フェアリーランドには、社長とか色々居たとしても、門が開くまで、実質一番偉いのは、僕と君だし、ちゃんと鍵さえ開けば誰も文句はつけないよ?」

「俺が言いたいことは、そんなことじゃない」

 お父さんは、目を細めた。

「本当に、途中で逃げた、と言って良いのか?
 そんなことしてみろ!
 お前は王族としての面目を失うんじゃないか?」

「向こうに帰る気は、無いし。
 危ないから恋人の家に逃げた、なんて。
 ただのひ弱なデザイナーなら、やりそうじゃないか?」

 心配そうなお父さんに、星羅は、お気楽に返事する。

 けれども、星羅の口の端が、意味ありげに微笑むのを、お父さんも気がついたようだった。

「それも、向こうに帰らないための、計算の内か?」

「さあね?
 でも、少しでも真衣と一緒にいたいな、って思ってるのは、本当」


 えっ!


 な、なんか今、さらっと。


 とっても、嬉しいことを言ってもらわなかった……!?


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