はだかの王子さま
「やっぱり、わたしも、変身出来るの?
 星羅みたいに、ふわふわ尻尾の狼だったら、嬉しいな。
 さっき見た、ゴブリンみたいに、デッキブラシだったら、ちょっとイヤだけど……」

 これだけ立て続けだと、もう、ヤケよね。

 自分勝手な好みを並べるわたしに、父さんは少し笑った。

「確かに、変身はするが、俺たちは星羅とは全く違うモノだし、デッキブラシにはなれない。
 でもな。
 その秘密を教える前に、真衣。
 お前に確認したいことがある」

「な……何?」

 戸惑うわたしに、お父さんは、真剣な目を向けた。

「真衣。お前は、本当に桜路のことが好きか?」

「えっ!
 ええええ~~、と」


 お父さん、直球!

 そりゃあ、もちろん、星羅のことは、とっても好きだけどさ。

 あまりに、突然、直球な質問に、声が詰まれば。

 お父さんは、ますます真剣な顔をして言った。

「桜路は、お前のために命を賭ける覚悟がある、と言った。
 だから、何か起きた場合。
 ヤツは本当に、命を賭けてしまうだろう。
 ……だが、桜路は、こんな所で、死んではいけない男なんだ」

 お父さんは、わたしの目を覗き込んだ。
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