はだかの王子さま
 星羅が、人間の姿を取り戻してから、1ヶ月間。

 ずっと眠っていて、会えない時は、すごく寂しかったよ。

 今回だって、そう。

『お仕事』で、二週間会えないって聞いて、本当は、イヤだったよ。

 幼なじみで、気心が知れている上。

 学校で、一、二を争うイケメンのはずの賢介が、星羅の代わり、って聞いて、悲しかったよ。

 星羅の代わりなんて、誰にもできないし、してほしくない。

 命を賭ける、なんて、そんなすごいこと今まで考えたこともないけれど。

 わたしの生活の全部を賭けるって言うのなら、わかるし、きっと、出来る。

「賢介や、今まで通っている学校の皆よりも。
 今住んでるお家よりも……お父さんよりも、星羅が、好き」

 そう、はっきり言って、お父さんの目を真正面から見返せば。

 お父さんは、緊張感を解いて、ふ……っと微笑んだ。

「……そか。わかった。
 最後の、俺よりも桜路がイイって言う所は、かなり、さびしいけどな」

「ごめ……っ!」

 まるで、遠くに、嫁にやるみたいだ、と。

 苦く笑うお父さんに、慌てて謝れば。

 お父さんは、別にいいんだ、とわたしの頭に大きな手をのせた。
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