はだかの王子さま
「本気なら、それでいい。
 可愛い真衣。
『お前のため』になら、俺も、一肌脱いでやるから」

「お父……さん?」

 お父さん……が、優しい顔をして、頷い……た。

 ……うん、お父さんは、いつだって、優しいよ。

 時には、娘のわたし自身が、甘すぎるんじゃないかな? ……と思うぐらい。

 ……なんだけど。

 今日は、それに輪をかけて、もっと、甘く、優しすぎる感じがする。

 お父さんは、わたしの頭に置いた手を、頬に移動させて、目を細めた。

「……では、話そう。
 落ち着いて良く聞けよ?
 俺は、俺たちは、人間ではない」

「……うん」

「俺たちの種族を、正確に表した文献は、こっちでは、見たことが無いが……
 かなり大雑把な分類上は、吸血鬼ってヤツに近い」



 え……っ!



「ち、ちょっと待ってよ!
 吸血鬼って言ったら、ドラキュラとか、ヴァンパイア、とか言う、アレでしょう?
 血を吸って生きてて、太陽やニンニクが嫌いだったりするヤツ!
 でもわたし、今まで一度も血を吸った覚え、無いし!」

 ニンニク料理、食べれるし。

 真夏の太陽の下、普通に海水浴にも行った覚えもある。
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