はだかの王子さま
 わたしの疑問に、お父さんは、微笑んだ。

「『吸血鬼に近い』とは言ったが、別に、食事のために血は吸わない。
 俺たちは、血を吸って擬態する」

「え……っと、それは……」

「血を吸った者の姿に、自分をコピー出来るんだ」


 ええええ……!


 驚くわたしに、お父さんは、淡々と話を続けた。

 どうやら、お父さんにとっては、いつも見慣れているこの状態が『ヒューマン・アウト』しているらしいこと。

 100㏄以上、だいたい計量カップ半分ぐらい分の吸える血を持っている生物になら、何にでもそっくりに変われる。

 しかも。

 外見だけでなく、その能力のほとんどを、使えるようになるみたいだ。

「ヒューマンアウトしている時は、人間と同じぐらいの力しか出ない。
 これは、向こうの世界では、すごく弱いんだ。
 けれども、血を吸った相手次第では、いくらでも強くなれる。
 だから、俺たちの種族は、『最弱の強者』とか『麗しき醜者』と言われるんだ」

「じゃあ、美人の血を吸ったら、わたしも、美人になれるってこと!?」

「……まあな」

 やった!

 それ、いい!

 血を飲む、なんてちょっと怖いけど!

 その力使ったら、わたし、ヒューマン・アウトした、星羅にぴったりな美人さんになれるかもしれない!
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