はだかの王子さま
「まあ、一応。
 王族の血が流れてはいるみたいだけれど、貴族として臣下に下った家系だからなぁ。
 桜路さんを含めて、十五人ぐらい、王位継承者をいっぺんに亡くしたら、可能性があるんじゃね?
 しかも本人に、やる気があれば、だけど」


 ……十五人!


「その数は、多いのかな?
 少ないのかな?」

「さぁ?
 良くわかんねけど、少ないと思うぜ?

 一人一人死んでゆくには、多いけれど、大きな事件が一回あったら、あっという間に埋まる距離だろうな」

 距離、って……!

 驚くわたしに、賢介は、息をついた。

「オレ的には、師匠が王さまなら、世の中もっと平和になると思うけどな。
 でも、まあ。
 師匠が十五番目なら真衣も、十六番目だろ?
 感想は?」

 え……っ!

 そんなこと急に言ったって!

「知らない国の、王さまになんて、なって嬉しいはず無いじゃない!」

「ビッグワールドは、その名の通り、大きくて豊かな国だよ。
 王さまになったら、どんなわがままも、望みも思いのまま、でも?」

「嫌よ!
 星羅もお父さんもいない世界なんて!
 そんなの幸せじゃないわよ。
 わたしは……!」

 そこまで言って、大きく息を吸い込んだ。

「星羅の所にお嫁に行って、幸せになるんだから!」

 なんて。

 思わず叫んだ声が大きかったみたいだ。

 お父さんの顔した賢介は、一瞬、きょとんとした顔をして、それから、にっこり笑った。
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