はだかの王子さま
「そっか。その意気だよ。
 頑張れ。
 オレも応援するから、さ」

 言って、賢介はおどけて、敬礼みたいにピシッと、手を額に当てた。

「この、守野賢介こと、シャドゥ・スパイダー。
 代々の伝統にのっとり、一命を賭して、任務を遂行いたします。
 内藤真衣こと、フルメタル・ヴェリネルラにおかれましては、お気を楽に、王子と共に楽しい時間を過ごされますように」

「うぁあ!
 なんだか、すご~~く大げさね?」

 しかも、わたしの名前!

 いつの間にか『ヴェリネルラ』になっているし!

 まるで、おもちゃの兵隊みたいな仕草と、かたっくるしい言い方のギャップに。

 呆れて笑えば、賢介も「全くだ」って笑う。

 ……このとき。

 賢介が半分ふざけて言った、この誓いが、大げさじゃなくなるなんて、わたしたちは、ちっとも知らなかった。

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