はだかの王子さま
 その声に励まされて、わたしは、恐る恐る聞いた。

「あの……あなたが魔剣、0(ゼロ)さん?」

『そうだよっっ!』

「わたしがフルメタル・ファングの娘だから、手を切らないように調節してくれたの?」

『ふん! てめーが、娘かどうかなんて関係ねぇぜ!
 フルメタル・ファングがヴェリネルラ(我が身より愛しい)って呼んでいるヤツを、傷つけてみろ!
 普段、どんなに温厚なヤツだって、怒るに決まってるだろう!
 せっかく今まで調子良くやっているってのに!
 契約破棄、とか言われてヤツに捨てられたら困るんだ!』

 なんて、言ってるの、本当?

「……で、でも、0さんを獲得するために、とんでもない数のヒト達が、争ったんでしょう?
 別に、お父さんが何か言っても、他のヒトの所へ行けば良いんじゃ……」

 た、たぶん。

 わたしの言っていることは、そんなに変なコトじゃないはずだった。

 けれども『0』は、少しの間、言葉に詰まったように黙り。

 ため息をつくように話しだした。

『フルメタル・ファングだけなんだ』

「0さん?」

『この世で切れないモノはない、って言うのが俺様の存在価値なのに!
 その切れ味を更に、もっと上げようとするんじゃなく。
『切りたくないモノは、どんなに柔らかいモノでも切らなくていい』って言った莫迦は』
 
< 140 / 440 >

この作品をシェア

pagetop