はだかの王子さま
「そうなの?
0さん、確かに言葉遣いと態度は、かなーーり悪かったけど『最も凶悪』って言われるようなヒト(?)じゃなかったよ?」
そう、首を傾げたわたしに、星羅は、目を見開いた。
「0が、真衣にしゃべった!?」
「0さんがしゃべるって、そんなに、変?
手伝うのは不本意だけど、フルメタル・ファングのヴェリネルラに怪我をさせたらダメだ~~とか、言ってたけど」
少なくとも。
デッキブラシやら、砂糖壷やらが、普通にしゃべる世界なんだもん。
今さら、剣がしゃべったって良いじゃない。
首を傾げるわたしに、星羅は、参ったな、と自分の額に鋭い爪のついた、毛むくじゃらの手を当てた。
「基本、自分で自分の主を決める武器の類は、所有者がいないと話なんてしないんだよ。
なのに、自分が不在の今、真衣と話をさせるなんて。
ヴェリネルラのために、とはいえ。
リンゴの皮むき、なんて莫迦なコトを、0が素直に進んで手伝うなんて……!
こんなに、しっかり0を支配した所有者は、フルメタル・ファングしかいない。
しかも、0を所有したまま、自滅の道を歩まず、普通に暮らしている期間の記録も余裕で更新中だし。
……これは、ひょっとすると、ひょっとするかもしれないね」