はだかの王子さま
 その、大きな黒いトカゲは、皮膜の翼で風をきり。

 王子の姿のセイラめがけて、超低空で近寄ったかと思うと、そのまま、セイラをさらってゆく。

 竜に乗っていた、少年……多分賢介の放ったロープにセイラは半分絡め取られるように、捕まって竜の背に乗ったんだ。

 そして、竜はさっさと急上昇して、雲の彼方に消えていった。

 後に残された、アナウンサーは、驚きのあまり、一瞬黙り、そのあと、弾けるように、色々話し始めたけれど!

 混乱は、わたしの部屋でも、一緒だった。


『「一体、何が起こったんだ!?」』

 テレビの前で、星羅と0が一緒になって叫んだ。

 画面の中のヒトに聞こえるワケないけど!

 思わず声が出ちゃったんだ。

 だって!

 こっち側と、向こう側『ビッグ・ワールド』が繋がる日は、毎年お休みしているのは、こっち側にビッグワールドのコトは、秘密だからでしょう?

 なのに、イベントやって、どうするのよっ!!

 しかも『無料(ただ)』なんて言ったら!

「いつにも増して、お客さんが来ちゃうじゃない!?
 そんなコトして、……いいの?」

『良いわけねぇ!』

 わたしの質問に、0がきゃんきゃん吠え。

 星羅も真面目な顔をして頷いた。
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