はだかの王子さま

「刑を終えて……って言っても要は、現王のきまぐれだけど。
 とりあえず、ビッグ・ワールドに帰る者とか。
 改めて、こっちの世界に追放されて来る者とで、毎年騒ぎの一つや二つはおこるんだよ」

 いつも、お客様が来なければ、どうとでもなる程度だけどね。

 そう言って、星羅はため息をついた。

「外からフェアリーランドに、ヒトを集めちゃダメだ。
 色々ごまかせないだけじゃない。
 万が一。
 扉から出て来た気の立ったヤツに、こっち側のヒトが怪我でも負わされたら。
 間違って、向こうへ、迷い込む者が出たら。
 取り返しがつかないのに……!」

 フルメタル・ファングは、何を考えているんだろう?

 ……って。

 クビを傾げてる星羅を横目で見て、0は『ふんっ!』と息を吐く。

 そしてさっき、逃げ出そうとした窓に、改めて近づいた。

『こんな所で、グダグダ考えてても仕方ねぇ!
 それに、ゼギアスフェルなんぞと一緒にいられるか、ってぇんだ!
 俺様は、もう行くからな!』

「0さん!
 一体、どこに行くってのよ!?」

 聞いたわたしに、0は、鼻を鳴らした。

『もちろん!
 フルメタル・ファングの側に!
 決まってるだろう!?
 ヤツに、ナニ考えてるか、直接会って来るんだよ!』

「0!」

 叫んだ星羅の言葉を無視して、0は、窓に飛び移り、一瞬こっちをふり返った。

『蜘蛛の糸は、俺様が切る!
 てめーは、せいぜい、自分とヴェリネルラの命ぐらいは守っとけ!』
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