はだかの王子さま
「0!」

 もう一度叫んだ星羅の声を、今度は無視した。

 0は、子犬の姿をしているのに、とても器用だった。

 肉球つきの犬の手で窓のカギとガラス戸を開けたんだ。

 と。

 どこかで、ぶちっていう、何かがキレたような音がした。

「蜘蛛の糸が切れた」

「え?」

星羅に聞き返した、次の瞬間!!

 聞こえて来たのは……

 空を切り裂くような、沢山のヘリコプターの音!?

『ちっ!
 やっぱり、こっち側の人間たちが、今の映像の真偽を確かめに出やがった!』

 なんてぇ、面倒なコトを!

 そう呟いて、0は窓辺から飛び降りちゃった!

「0さん!」

 慌てて、わたしが窓に近づいて地面をみても、もう0姿はなく。

 見上げた空には、警察やらマスコミやらのヘリコプターが何台も出て飛び回ってる!

「どうしよう! 星羅!」

「……僕らも行こう」

 次々起こる出来事に困って振り返れば、星羅が着替えを始めてた。

「このまま隠れて様子を見ている場合じゃない。
 本当は、僕一人でフェアリーランドに戻りたいけど、何が起こっているのか判らない。
 真衣は、僕から離れずに……」

 そこまで、星羅が話した時だった。


 ピンポーン


 なんて。

 玄関から、お客さんが来たことを告げるチャイムが鳴った。
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