はだかの王子さま
 反射的に『はーい』って返事して、出て行こうとするわたしの前に、ズボンをはき終えた星羅が、シャツのボタンを止めながら割って入った。

「僕が出る。
 蜘蛛の糸が切れた途端に来客なんて、おかしいよ。
 ……糸の効果が無くなって、この家が『見える』ようになるまで、誰かが待っていたかもしれない」

「えっ……!」

 何よそれ!

 誰が、いつから待っているって……?

 わたしは、戸惑ったけれども。

 星羅は、ドアの向こうを睨んでる。

「おいで、真衣。
 靴を履いて、僕の後ろに隠れて……」


 ピンポーン


 まるで、真剣な顔の星羅を笑うように、いつもと同じ玄関のチャイムが鳴って。

 それから、聞きなれた声がした。

「真衣~~いる~~?」

 美有希の声だ!

「本当は、明日、遊びに来る予定だったけどさ。
 なんか、フェアリーランドが騒がしいじゃない?
 どうしてるかな? って、様子見に来ちゃったの~~」

「わ~~~んっ!
 美有希~~
 ナイスタイミング~~
 良い時、に来てくれたよ~~」

 なんか、もう。

 立て続けに、ゴブリンだの、竜だのいろんなモノを見て。

 フェアリーランドの正体だの、海に沈んだハズの大陸の伝説だのを山ほど聞いて、わたし。

 精神的に、くたくたになってたみたい。
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