はだかの王子さま
 美有希の声に反応してすぐ、土と木材が、一緒に引き裂かれる鈍い音がした。

 その途端!

 星羅が背を向けていた、玄関と廊下側の壁の一部が3m×4mほどの四角形の跡を残して無くなったんだ……!


 まるで。


 家を解体するための大型重機で壊したかのように、何かが、わたしの家の壁を引きちぎって行ったみたいだ!


『ぴぎゅーー!』

『ぴぎゃーー!!』


 ばらばらっと細かい木片が、降って来る中、危険をいち早く察知したらしい。

 家の中にある雑貨に化けたゴブリン達が、鳴きながらパッと、クモのコを散らすように逃げ出した。

「真衣!!」

 その、ゴブリン達の流れに逆らい、美有希を押しのけて、星羅が来る。

 驚いて、声も出せず。

 一歩も、動けないわたしに向かって星羅が、手を伸ばしてくれたんだ。

 けれども、星羅の手が届く寸前だった。

 盛大に開いた玄関の穴から、手のひらだけでも2mほどはある、大きな手の形の影が、にゅっと入って来た。

 と、思うと、星羅カラダを包むように握りしめ、さらってゆく!

「きゃーーーっ!
 星羅!!
 星羅!!!」

 自分の上げた悲鳴が、他のヒトの声みたいだった。

 もう少しで、繋がれるはずだった星羅の手を追って、わたしも、今出来たばかりの玄関の穴から飛び出した。
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