はだかの王子さま
 た、確かにビッグワールドでは外見が重視されてるな、って思ったけど!

 ヒトと、動物を分けるのも『ヒトの姿になれるかどうか』だったし。

 星羅は、獣の姿から人間の姿になることが出来なくて、こっちの世界に流れて来たし。

 ゴブリンだって『醜いから』ってこっちに追放され。

 きわめつけは、さっき美有希が言っていたコト。

 ビッグ・ワールドでは特に、顔を見れば、家の血筋って言うヤツも丸わかりらしい。

 そんな大事なトコロを褒めたんだから、と言われても。

 うーーん。

 なんて考えてるのは、わたしだけだった。

 地面の方からキラリッって、なんか次の武器らしい、怪しい光が見えた!?

 そう思った時には、わたしを乗せたデッキブラシがぐぃ、と高度を上げた。

『ゴブリン!!
 必ず、その子を無事にファングさまの元に……!』

『ぴぎゅっ!!』

 賢介のお母さんの声は、風にちぎれてすぐに聞こえなくなった。

 だってデッキブラシが、ものすごいスピードを上げたから!

 高い! 速い!

 風、強い! 寒い!

 きゃ~~あぁぁあぁぁあ~~!

 た、たぶん!

 地上から飛んでくるナニかから、身を守るのは、これが一番なんでしょうけど!

 足元に広がる二階建の家の屋根が、寄せ返す波のよう。

 まるで、海のように広がる住宅地の上空を、デッキブラシがものすごい勢いで駆け抜ける。

 でもね、普通!

 デッキブラシの柄なんて、ヒトが乗るように出来てないのよっっっ!!
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