はだかの王子さま
 人工島への橋、上空を駆け抜け、キングダムリゾートが迫る。

 フェアリーランドの象徴の白薔薇宮殿を囲む四つの塔が近づいてきて、警察のヒトがまた怒鳴る。

「こら~~! 止まらんか~~!」

 もう! わたし、なんにも悪いことなんてしてないのに!

 ドコまでついて来るのよ! って思った時だった。

 いきなり、警察のヘリコプターが、ぽよん、と弾むように後ろに下がった。

 まるで空気の層でできたトランポリンに、斜め下からぶつかったみたいだ。

「「「うっわわわわ~~!」」」

 ヘリコプターの中にいた警官のヒト達は、情けない声を上げて、あり得ない方向へ飛んでゆく。

『な、何が起こったの!?』

 よほどパイロットの腕が良かったのか。

 空中で見事に一回転しても堕ちなかったヘリコプターの行方にホッとして聞けば、砂糖壺が応えてくれた。

『うン!
 ビッグワールドの結界!
 こっちの世界のでっかい機械入れないかラ!
 家庭用のハンディカメラより大きいヤツ!
 マスター・ファングか、ゼギアスフェルさまが出す特別許可のオ守り無いト、入れないんだヨ』

 そっか……だからキングダム・リゾートって、橋の前で車両通行止めなんだ……!

 そう、納得した矢先だった。

 今度は、がくんっとデッキブラシの高度が下がる。

 唐突な堕ち方が、とっても変!

 わたしと砂糖壺さんの声が、重なった。

『デッキブラシ君!』

『ぴぎゅぎゅっ!』

 大丈夫……!?って、声を続ければ、デッキブラシが弱々しい声を出した。
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