はだかの王子さま
 砂糖壷はてんてんと、柵の上を飛んで、見上げたわたしの膝の上にスポッと乗った。

 そして、ぽん、と漫画チックなねずみみたいな顔を出して、首を傾げる。

『うきゅきゅのマスター・ファング、優しくて強イ♪
 ゼギアスフェルさま、怖いけど、賢くて公平☆
 ヴェリネルラのマスター・ファングとゼギアスフェルさま、は?』

『……わたしのお父さんと、星羅?』

『うん☆
 ヴェリネルラの知ってる二人は、怖イ?
 キライ?
 いろいろ判ってがっかりした?』

『ううん!
 星羅もお父さんも大好き、だよ!』


 ……うん、それは変わらない。


 でも……でも、ね。

 心が少し、ちくっとしたんだ。

『わたし……星羅やお父さんの外側しか見てなかったんだな、って……』

『何も教えてくれなかったから、怒ってる?』

『う~~ん……』

 腹が立つよりも、びっくりしたのと……

 さみしい、のかな?

 湧き上がってくる想いが自分でも判らずに、言葉を濁せば。

 膝の間の砂糖壷は『うきゅっ!』と鳴いた。

『外見に自信無いみんな、外見よりも、中身大事だって言ウ!
 うきゅきゅもそう思ウ。
 でも、ネ。
 中身って、外見にも出るんだヨ?
 心が冷たいヒト、ちゃんとよく見れば冷たく見えル。
 イジワルなヒトも同ジ。
 隠せなイ!
 じゃあ、マスター ・ファングは?
 ゼギアスフェルさまは?
 ……悪い、ヒト?』

『う……ううん』

 そんなコトは、無い。

 少なくとも、わたしに対しては。

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