はだかの王子さま
 いや。

 落ち着いてる……っていうか、どっちかって言うと気だるげ、かな?

 周りにハンドや、美有希の姿も無く。

 最初は、一目見て、やった~~!

 星羅が無事だ!って嬉しかったけれど。

 今すぐ、大声を出して『助けて!』って言えなかったのは。

 大広間に居る人が多くて恥ずかしかったから、ってだけじゃない。

 星羅は椅子にきちんと座らず、豪華な椅子の左のひじかけに頬杖をついたままだったんだ。

 彼は、体重のほとんどを左側にかけ、周りを見下しているような、かなり嫌な態度で座ってたから。

 表情もなんだか固くて、美有希に『帰れ』って言った時より、もっと冷たい感じがする。

 しかも、長いメッシュの入った金髪は、頭にかぶった王冠の中にでも隠しているのかな?

 不機嫌そうな表情が良く見えて怖かったんだ。

 いつもの表情が春の光なら、これは冬。

 しかも、猛吹雪の真っ只中、って感じだ。


 ……ウソ。

 星羅って、こんな表情もするんだ……!


 なんて。

 なんだかショックだったけど。

 そう、見たままの姿を素直に信じて頷きかけ、いやいや違う、と首を振った。

 ……多分、このヒト『星羅』じゃない。

 ちょっと遠くてはっきりしないけど、星羅に化けた『お父さん』でもない……ような気がする。

 そして。

 星羅と0が合わさってできた覇王の剣『蒼のセイラ』でも……多分……ない?

 
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