はだかの王子さま
『それで?
 そなたが人間の姿を手に入れた祝いに、わざわざ。
 我は通りやすいフェアリーランド大扉の開門前に、厄介な別の門を通って様子を見に来たのだぞ?
 こちら世界での権限は、すべてそなたに預けたと言うのに。
 面倒が起きているではないか。
 この騒ぎは、一体なんだ?』

 ……どうやら。

 こちらの世界側の人間に、竜やその他のビッグワールドにしかいない生き物をさらした件について、しゃべっているみたいだった。

 ビッグワールド王の言葉に、星羅の姿をしたお父さんは、深々と頭を下げた。

『……申し訳ございません。
 ですが、騒ぎの首謀者は、既に捕らえております』

『ほう、それで?
 誰が、何の目的で、騒ぎを起こしたのだ?』

 険悪に目を細める王さまに、お父さんは軽く頷いた。

『罪人(つみびと)を王の御前につれて来い!』

『はい』

 低く呼んだお父さんの声に反応して、人ごみの奥の扉が開いた。

 そこから男のヒト二人と、女の子、そして蒼白く輝く仔犬が一匹入って来たのを見て声を上げそうになった。

 星羅!

 今度こそ本当の星羅だ!

 しかも、無事そうな姿に、わたしは、心からほっとした。

 そう、それは、ハンドと、彼に捕まったままの星羅本人と、0。

 そして、女の子は、美有希だ。

 星羅は、家から連れ去られた時のここには場違いなほどラフな服装の上から、マントを引っかけられていた。

 今は、空中には浮かず。

 裸足の足で、ちゃんと歩いてはいるものの、ハンドに手と声を出す自由を奪われたまま、みたい。

 何も言わず、黙ったまま。

 琥珀色の瞳を光らせて、ビッグワールドの王さまとお父さんを睨んでた。

『……ふうん?
 それで『コレ』は誰なのだ?』
< 242 / 440 >

この作品をシェア

pagetop