はだかの王子さま
 そんな、騒然となっている中。

 星羅の姿を借りた、お父さんだけが平然と『罰』の続きを口にする。

『更に、フルメタル・ファングの身柄については。
 罪についての詳細な尋問、謹慎も兼ねて最低一週間は白薔薇宮地下牢に拘束。
 事実関係がはっきりし次第、更に入牢期間を延長するものとする』

 ……つまり。

 お父さんの……この場合星羅の、返答いかんによっては、ずっと白薔薇宮の地下牢に、入ってろ……ってこと?

 ウソよ!

 何よこれ!

 今の、この状態が『普通じゃない』ってのは、わたしにだって判るよ?

 だって『お父さん』が星羅の姿を手に入れたのは、別に『襲って』じゃない。

 お父さんは優しいけれど、全財産を慈善団体に寄付するほどじゃないし。

 そもそも、そんな怪しい団体の存在も今まで聞いたこともない。

 星羅の姿をしたお父さんの話は、ほとんど全部『ウソ』だ。

 フルメタル家当主の座や、門番の立場を失うのは、自分だとしても、お父さん。

 地下牢には自分で入る気なんて無いよね?

 無実の星羅を地下牢なんて、怖い所に閉じ込めるつもり……なんて!

 本当に、どうしちゃったの!?

 お父さん……!

 お父さんも、星羅も。

 声さえかければ、届くはずの場所にいた。

 けれども、どうしても声がかけられなくて、固まっているわたしをしり目にもう一人。

 この話に『疑問』を感じたらしいヒトが、のんびりと声をかけた。

 ビッグワールドの王さまだった。
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