はだかの王子さま
『……案外、手厳しい罰を科したな、ゼギアスフェル?
 フルメタル・ファングは、そもそもビッグワールドから追放されるそなたを憐れんで、この世界について来たのだろう?
 ……王たる我の制止を振り切り『背任罪』も厭わず、そなたのために尽くして来たのに。
 そなたも、ヤツのことを『友人』と称してはばからない関係であるくせに。
 全てをはぎ取り、地下牢に放り込むのか?』

『全て。ではございません。まだ彼には0があるでしょう?
 もっとも0は、ファングにしか手に負えない魔剣なので、はく奪のしようがないのですが。
 ……彼は大罪を犯しました。
 命まで取らなかったのは。
 そして、その身に屈辱と痛みを生じさせる傷を与えなかったのはそれこそ、今までの『感謝』と『温情』以外なにものでもありません』

『ほう。
 何事にも『公平』さを重んじる『ゼギアスフェル』らしすぎる言葉じゃないか?
 ……もしかして、そなた。
 本当は、我が弟ではないのではないか……?』

 どき。

 そう心臓がひときわ大きく跳ねたのは、傍で聞いている、わたしだけだったみたいだった。

 図星をつかれたはずのお父さんは、少しも顔色を変えずに、わずかに首を傾けた。

『御冗談を』

『ふん。
 なんでフルメタル・ファングが騒ぎを起こしたのか。一応は納得出来る話だがな。
 もし、それず真実なら……何も今すぐビッグワールドの真実を晒すのではなく。
 そなたがビッグワールドに帰り、本当に一人になった後、ゆっくりこっちの世界に影響を与えた方が良いのではないか?』
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