はだかの王子さま
 とても、もっともな意見に、星羅姿のお父さんは、やっぱり少しも動揺せず、ほほ笑んだ。

『さあ。
 詳細な話については、まだなので推測の域から出ませんが、きっと。
 急ぐ理由か、大扉が開く時にしておくことがあったのでしょう。
 王がこんなに早くこちら側にいらっしゃるとは、予想外でした。
 私だけを説得、もしくは脅す材料があれば、彼の野望は遂げられたのかもしれません。
 しかし、詳細は、まだ不明です。
 今後、真実が明らかになれば、また王に報告いたします』

『後から、ではなく。
 今、本人の口から聞けばよいではないか?
 フルメタル・ファングの言葉を封じているのは、風の最高位、シャドゥ・ハンドか?
 おい、シャドゥ……』

 そう、王さまが自分でハンドに声をかけようとした時だった。

 王さまの言葉をさえぎるように、星羅の姿のお父さんが割って入った、

『お待ちください、王よ。
 フルメタル家の力は、姿を借りた者の完全コピーで、外見だけでなく、能力まで移せます。
 フルメタル・ファング自身も『雷帝』と呼ばれる雷(いかずち)の最高位の上。
 今は私の姿をしている以上。
 ここで彼の『言葉』を解放したら、罪と罰に不服を訴え、自らの雷の力の他。
 炎の最高位、炎狼の力を解放して、付近を燃やしつくすやもしれません』

 そう言って、星羅の格好をしたお父さんは、周りを見回した。

『今、ここに本物の炎の最高位たる私と、風のシャドゥ・ハンド、それに大地の黒竜ソドニキュラエスが揃っておりますが、彼の目の前に居る王を完全に無傷でお守りし、再び捕えられるかは、判りません。
 これ以上、私の友人であるフルメタル・ファングに罪を犯させないでください』

 ここで星羅本人がしゃべり出したら、全部が崩れてしまうだろう。

 さすがに少し焦ったお父さんの声色をどうとったのかな?

 王さまは、ふん、と鼻を鳴らして別なコトを聞いてきた。
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