はだかの王子さま
一軒家ならともかく、やっぱり普通のマンションは無理かな?
今まで、わたしが居る時は静かだったけれど、実は、普段はそうでもなかったみたいだし。
誰も居ないはずのマンションの部屋で、ゴブリン君達が騒ぎだしたら、パニックだ。
警察だって来るかもしれない。
そのときの様子が、簡単に想像出来て、わたしは、ぶるるっとクビを振った。
『う~~んと。
じゃあ、星羅に頼んで、この白薔薇宮殿の片隅に居候(いそうろう)させて貰うので』
事情が、事情だもんね。
お父さんの他に、ウチのゴブリン君たち込みでも、星羅は、地下迷宮にある空き部屋の一つぐらい、貸してくれるにちがいない。
そう言ったら、王さまは、軽く笑った。
『何?
そなた達は、一家揃って白薔薇宮殿の地下牢にでも住む気か?』
地下牢!
『ま、まさか!』
びっくりしたわたしに、王さまは、ニヤリと、唇の端を持ち上げた。
『そもそも、我に追放された、とはいえ。
世界をつなぐ門番たるフルメタル家当主が、ゼギアスフェルと共にこのフェアリーランド内に住まず、外に住居を構えた理由を知らないのか?』
『……え?』
イヤな予感にクビを傾げれば、王さまはふん、と鼻から息を吐いた。
『そなたの家に居るゴブリンは、ビッグワールドの基準では、最悪に醜い』
『そんなこと!
わたしはゴブリン君達が『可愛い』と思ったし、星羅だって外見なんて、気にしないわ』
『ほほう、ナイトウマイは変わった趣味を持っているな。
だが、フルメタル・ファングのゴブリン達がこっちの世界にいる理由は、それだけではない。
アレらは、昔、ビッグワールドにその名を轟かせた、嫌われ者。
盗賊団一味の子どもたちだからだ』
『……え?』
『盗賊行為で、ビッグワールドを荒らしまくったゴブリンどもの親は罪の重さゆえ、即刻死刑。
続いて、その子どもたちも処分されることになったのだ』
『処分って!
ゴブリン君たちの親は、ともかく!
子どもたちは何も悪いことをしていなかったんでしょう?
なのに、なんで!』
今まで、わたしが居る時は静かだったけれど、実は、普段はそうでもなかったみたいだし。
誰も居ないはずのマンションの部屋で、ゴブリン君達が騒ぎだしたら、パニックだ。
警察だって来るかもしれない。
そのときの様子が、簡単に想像出来て、わたしは、ぶるるっとクビを振った。
『う~~んと。
じゃあ、星羅に頼んで、この白薔薇宮殿の片隅に居候(いそうろう)させて貰うので』
事情が、事情だもんね。
お父さんの他に、ウチのゴブリン君たち込みでも、星羅は、地下迷宮にある空き部屋の一つぐらい、貸してくれるにちがいない。
そう言ったら、王さまは、軽く笑った。
『何?
そなた達は、一家揃って白薔薇宮殿の地下牢にでも住む気か?』
地下牢!
『ま、まさか!』
びっくりしたわたしに、王さまは、ニヤリと、唇の端を持ち上げた。
『そもそも、我に追放された、とはいえ。
世界をつなぐ門番たるフルメタル家当主が、ゼギアスフェルと共にこのフェアリーランド内に住まず、外に住居を構えた理由を知らないのか?』
『……え?』
イヤな予感にクビを傾げれば、王さまはふん、と鼻から息を吐いた。
『そなたの家に居るゴブリンは、ビッグワールドの基準では、最悪に醜い』
『そんなこと!
わたしはゴブリン君達が『可愛い』と思ったし、星羅だって外見なんて、気にしないわ』
『ほほう、ナイトウマイは変わった趣味を持っているな。
だが、フルメタル・ファングのゴブリン達がこっちの世界にいる理由は、それだけではない。
アレらは、昔、ビッグワールドにその名を轟かせた、嫌われ者。
盗賊団一味の子どもたちだからだ』
『……え?』
『盗賊行為で、ビッグワールドを荒らしまくったゴブリンどもの親は罪の重さゆえ、即刻死刑。
続いて、その子どもたちも処分されることになったのだ』
『処分って!
ゴブリン君たちの親は、ともかく!
子どもたちは何も悪いことをしていなかったんでしょう?
なのに、なんで!』