はだかの王子さま
「うん、后はとてもキレイなヒトでね。
血筋的にも、僕らみたいな傍流じゃなく。
ビッグワールド創生以来ずっと続く、正統な皇族の末裔で、現在では人民を統治する『王』よりも身分の高い者。
ビッグワールドの命。
万能エネルギー、グラウェの供給と分配を全管理する『神官』の役目を負っている一族の娘だったんだ」
そして、星羅は、こんな風に続けて話した。
お父さんと、神官の娘は相思相愛の恋仲だったけれども。
お父さんのビッグワールドでの身分は『筆頭侯爵』で、王族から臣に下った家だったから。
王族の末席ならばともかく。
ビッグワールド最高位の身分を持つ、彼女をお嫁にもらうわけには行かなかったらしい。
代わりに、こちらの世界からビッグワールドへグラウェを供給する扉の門番でありながら。
異界を隔てる壁をも切り裂く『魔剣0』を所有することにより。
お役目……っていうか、仕事上では、唯一無二となるパートナーとして、彼女を支える道を選んだ。
そして、彼女が前王の正妻になることが決定しても、その心の中はともかく。
傍目からは、お父さんが色恋に狂って取り乱す……なんてことは無く、淡々と自分の役目をこなしてた。
やがて、お后が身ごもった子どもも、実は『フルメタル家の血筋が混じってた』なんてこともなく。
正真正銘、前王さまとの間にできた子、らしい。
「……えっ……と、その前王夫妻にできた子、って言うのが『わたし』かな?」
話の流れからすると、それ以外考えられない展開に、確認すれば。
星羅は、難しい顔をして、首を振った。
「そのとき、前王夫妻に『子ども』は一人も『いない』はずだった」
「……え?」
「世継ぎになるはずの子どもは、前王夫妻の殺害から数えて五年前。
生まれてからすぐに、病気で亡くなったと公表されてたんだ。
だから、その存在を僕は今まで、すっかり忘れていたけれど。
現王に言われて……
真衣のその姿をみて、僕も初めて納得したよ」
血筋的にも、僕らみたいな傍流じゃなく。
ビッグワールド創生以来ずっと続く、正統な皇族の末裔で、現在では人民を統治する『王』よりも身分の高い者。
ビッグワールドの命。
万能エネルギー、グラウェの供給と分配を全管理する『神官』の役目を負っている一族の娘だったんだ」
そして、星羅は、こんな風に続けて話した。
お父さんと、神官の娘は相思相愛の恋仲だったけれども。
お父さんのビッグワールドでの身分は『筆頭侯爵』で、王族から臣に下った家だったから。
王族の末席ならばともかく。
ビッグワールド最高位の身分を持つ、彼女をお嫁にもらうわけには行かなかったらしい。
代わりに、こちらの世界からビッグワールドへグラウェを供給する扉の門番でありながら。
異界を隔てる壁をも切り裂く『魔剣0』を所有することにより。
お役目……っていうか、仕事上では、唯一無二となるパートナーとして、彼女を支える道を選んだ。
そして、彼女が前王の正妻になることが決定しても、その心の中はともかく。
傍目からは、お父さんが色恋に狂って取り乱す……なんてことは無く、淡々と自分の役目をこなしてた。
やがて、お后が身ごもった子どもも、実は『フルメタル家の血筋が混じってた』なんてこともなく。
正真正銘、前王さまとの間にできた子、らしい。
「……えっ……と、その前王夫妻にできた子、って言うのが『わたし』かな?」
話の流れからすると、それ以外考えられない展開に、確認すれば。
星羅は、難しい顔をして、首を振った。
「そのとき、前王夫妻に『子ども』は一人も『いない』はずだった」
「……え?」
「世継ぎになるはずの子どもは、前王夫妻の殺害から数えて五年前。
生まれてからすぐに、病気で亡くなったと公表されてたんだ。
だから、その存在を僕は今まで、すっかり忘れていたけれど。
現王に言われて……
真衣のその姿をみて、僕も初めて納得したよ」