はだかの王子さま
「だって、代々門番って、フェアリーランドが出来て十年ちょっとくらいでしょ?
 そんなご先祖様代々って変じゃない!
 それになにより!
 お父さんと、わたしの生活!
 特に、賢介や、クラスの他の皆のウチと変わらないじゃない!」

 貴族って言ったら大金持ち、ってことでしょう?

 テレビで見るセレブなヒト達って、こーんなお城みたいな家に住み。

 あーんな豪華な車を何台も持って。

 何でも言うコトを聞いてくれる執事さんとかがいて。さぁ。

 ご飯もコックが作ってたり、メイドさんとかが山盛りに居る生活じゃあ……?

 そんなわたしの疑問に、お父さんは軽く頷いて言った。

「フェアリーランドが一番大きく、毎年開き。
 一般人も出入り出来る唯一の扉ではあるが、ビッグ・ワールドと繋がる扉は、ここだけでは無い。
 他に七年に一度だの、二十年に一度しか開かないもので良ければ、王族と門番の一族限定で開く扉があるし。
 書簡程度なら、一週間に一度くらい通れる扉もある。
 あまり数は多く無いが、それら全部が、門番たるフルメタル家の管轄で、それ見合う財力はある。
 真衣は、贅沢な生活がしてみたいのか?」

 ちょっと真剣な顔のお父さんに、そりゃお金持ちの方が良いけどね、って。

 あまり深く考えずに頷いて、湧き上がる疑問に首をかしげれば、お父さんは、肩をすくめた。

「残念だったな。
 所詮、貴族だの王族だのって言ってもビッグ・ワールド限定だからな。
 家や血筋に恐れ入るのは、キングダム・リゾートの住人にしか、効力ねぇし。
 こっちの世界での身分は、遊具の整備技師に、売り出し中のコスチュームデザイナーだろ?
 生活水準は、こんなもんだ」
 
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