はだかの王子さま
「……確かに、そうね」

 一応納得して、うなづくわたしにお父さんは笑う。

「ま、料理は俺の趣味だから、コックはいらねぇし。
 執事を雇うほど忙しくねぇし。
 メイドの代わりは、とりあえず居るから間に合ってるな」

「メイドって……ゴブリン君?」

「ああ、ニ十匹ぐらい」

 二十匹!

 そんなに居たんですか、デッキブラシ君の仲間たち。

「し……知らなかった……」

 ……星羅と出会って、十年も経っているのに。

 それと同じぐらい長く、この家に住んでいるのに。

 ずず~~んと落ち込むわたしの背中を、星羅は、ぽんぽん、と叩いた。

「だって、僕が真衣に内緒にして、って言ったから、真衣が何も知らなくても当たり前だよね」

「……なんで、内緒にしてたのよ!
 結局、わたし、一人で仲間ハズレじゃない!
 こんなに大事なことなのに……!」

 賢介だって、普通に知っているのに!

 お父さんは、子供扱い?

 そして、星羅にとって、わたしはたいしたことのない存在だから?

 急に悲しくなって来たわたしに、星羅は、強く首を横に振った。

「違う!
 ただ僕は、真衣を悲しませたくなかったんだ!!」
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