夕焼け色に染まる頃
さっきまでクスクスと笑っていた人だ。
「ね、朔ちゃん?だっけ?晋作は朔ちゃんの事を思って怒ってるんだよ」
「別に、んなんじゃねぇ」
優しく諭すように言った小五郎さ……あれ、ってことはこの人が桂さん、桂小五郎さん……!?
……の、言葉に被せるような形で高杉さんは否定の言葉を放つ。
「こいつを試させた結果がこれだ。怪しい奴じゃねぇって事に確信は持てたが、ちょいと予想外だったな。ここまで強情で馬鹿だとは思わなかった」
「なっ……!?」
そう呟いた高杉さんは、驚く私を置いて立ち上がった。
そして唖然とする私の手を引きたたせると、開くワイシャツを形の上で閉じて羽織を拾いにいく。
その間に、桂さんが近づいてきてポンと私の肩に手を置いた。
「晋作はああいう奴なんだ。許してやってくれ」
「え?」
「……君が間者じゃないか試した、ってことだよ」
桂さんの言っている意味がわからなくて首を傾げれば、クスリと笑われた。
でも、やっぱり高杉さんはさっきの言葉の通り私を試していたんだ。
だとしたら、私はそのまま信じて貰えたんだと自惚れて良いのかな。
「君の疑いは晴れたようだ、じゃなきゃ晋作は君を斬ってる」