総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】

真剣な眼差しのヒサとは逆に、あたしは不安な眼差しでヒサを見つめていた。


話せば、ヒサがいなくなる。


そんな不安じゃない。


あたしは、ヨウのことをよく知らないのだ。


あれだけ、ヨウ、ヨウ、ヨウ。


と言ってきたのにもかかわらず、だ。


遊ぶときは、シン、ヤミそしてあたしの3人でいつも遊んでいた。


その時ヨウは、あたしには“注がれなかった”母からの愛情を受け取っていた。


ただ、父だけはあたし達といた。


母は、ヨウにべったりだったのだ。


こんな感じで、気づいたらシンに閉じ込められていて。


ヨウを人質にとられていた。


幼いころのあたしの中には。


「ママのあんな笑顔、見たことない・・・。」

「どうしてママは、ヨウは、こっちで一緒に遊ばないの?」


言い切れない程の疑問と、言い知れぬ不安でいっぱいだった。


< 161 / 196 >

この作品をシェア

pagetop