総長が求めた光 ~Ⅱ壊れた歯車~【完】
真剣な眼差しのヒサとは逆に、あたしは不安な眼差しでヒサを見つめていた。
話せば、ヒサがいなくなる。
そんな不安じゃない。
あたしは、ヨウのことをよく知らないのだ。
あれだけ、ヨウ、ヨウ、ヨウ。
と言ってきたのにもかかわらず、だ。
遊ぶときは、シン、ヤミそしてあたしの3人でいつも遊んでいた。
その時ヨウは、あたしには“注がれなかった”母からの愛情を受け取っていた。
ただ、父だけはあたし達といた。
母は、ヨウにべったりだったのだ。
こんな感じで、気づいたらシンに閉じ込められていて。
ヨウを人質にとられていた。
幼いころのあたしの中には。
「ママのあんな笑顔、見たことない・・・。」
「どうしてママは、ヨウは、こっちで一緒に遊ばないの?」
言い切れない程の疑問と、言い知れぬ不安でいっぱいだった。