傷だらけのシンデレラ

あたしは自然と裁縫道具に手をかけ、

無意識のうちに針を取り出していた。

その針をそっと左腕にあて、

何度も何度も、自分の腕を傷つけた。


針なのでそんな深くは血がでなかった。

うっすらと血が滲む程度。


「はは、なにやってんだろ・・」


そんなことを呟きながら、まだあたしは泣いていた。

自分が怖くなった。









8月の夜、この日はきれいな満月でした。

それとは裏腹に、あたしの心は悲鳴をあげだした。

< 77 / 130 >

この作品をシェア

pagetop