ハチミツ×シュガー



「楓! 心配したんだよ〜?!」


 クラスに入ろうとした私に、廊下の向こうから大きな声で駆け寄ってきた真弓。


「斉藤が校門まで一緒だったって言うからどうしたかと思って!具合悪かったの?
 もう大丈夫?あまり無理しないで…」

 一気に話す真弓が、私の隣に並ぶ背の高い男子に気付いた。



「――え゙っ…西城?」


 元々の大きな目を、更に大きくして凝視する。

 西城くんは眉間にシワを寄せ、「うるせーヤツ」と言いながら教室に入って行った。



 真弓はポカンとした顔で彼を見送った後、バッと私に向き直ると、恐ろしい程の笑顔で…


「楓、どうゆうことかしら?」


 ――恐い。

 本当に恐いんですけどっ!



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