子猫が初恋提供します。




結局彼女達は苦い顔をしながら最後まで無視だった夜を置いて帰って行ったというわけ。



夜にとって、興味ない人達はまるで空気かなんかのようで…



相手にもせず、気遣いもせず…ひたすらに無視。



そして夜はいつも自分の思うままに行動しているようだった。…だから余計に彼女達が不毛に見えるんだと思う。



「他人に興味ないヤツってのはいるもんだけど、あの男の興味のなさは異常なくらいね。

先輩に聞いたけど、あの人ってほんとに何にも出来ないことがないんですって。

授業中も寝てばっかで…そのくせあてられると平然と正解を答える。

運動も帰宅部のくせにレギュラーやってる人なんかよりよっぽどうまいらしいし…

あの美貌を目当てに群がる女の子にも目もくれない。

何に対しても本気になったのを見たことないって…。


…毎日やる気ないつまんない顔して教室の机に突っ伏して寝てるんだって…。」



蓮は、「なんでも出来るっていいことばかりじゃなさそうね」…と、なんでも出来ることが逆に何に対しても興味を持てない原因になっているかのような夜に対して少し同情的な顔をした。






< 56 / 256 >

この作品をシェア

pagetop