子猫が初恋提供します。
「………。」
夜はそんなあたしを、あの黒い瞳で見つめていた。
清んだ深い黒の瞳は…まるで全てを見透かしているかのようで…
あたしはそんな瞳から堪らず視線を反らす。
夜は明らかに不自然な態度のあたしに軽く目を見張ったけど…
あたしが何も語らなかったからか、その後とくに何かを追求する様なことはなかった。
だけど、いつものようにくっついてくることはなくて
ただ優しく大きな手であたしの頭を撫でていた。
夜にどんな意図があったのかはわからないけど、まるで慰めてくれているかのような手の平が心地よかった…。