子猫が初恋提供します。




「あんたも夜兎のファンならルールを守ってよね!?」



「いえ、ファンじゃないです…。」



ファンとは絶対に違う自信があるあたしはつい正直が口をつく。



「「「はぁぁっ!?」」」



「……!!」



それに怒りが滲んだ声があがった。



ヤバイ…!やらかした……!!?



そう思った後では既に遅くて、あたしはそりゃあもう猛然ときっつい非難を浴びた。



「なめてんのっ!?」


「調子こいてんじゃねえっつーの!!」



「こんな子の何がいいわけ!?」



「それは…あたしも知りたいです…。」



「「なんですって!?」」



「……!?」



お叱りを一身に浴びながら、身を縮めたあたしは…夜のファンだというお姉様方をちらちらと観察……。



みんなほんとに大人っぽくて綺麗な人ばかりなのに驚いた。



真ん中にいる今にも泣き出しそうな顔をして怒っているのは、巻いた明るい髪とすらりと高い背がモデルみたいな美人さんで…教室に夜を迎えに来た人だと気づく。



必死なその表情に



ファンだって言っても…この人達は、ほんとに夜が好きなんだ……。







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