子猫が初恋提供します。
――――チクン…
冷たい針で胸を刺されたような感覚がした。
夜は……こんなに綺麗な人達に、こんなにも想われてる…。
それなのに、どうしてあたしなんて好きだと言うの…?
あたしにはそれがわからなくて
嫌に胸が痛んだ…。
綺麗で必死なこの人達に優るようななにかなんてきっとあたしにはないはずだよ…。
愕然とするあたしに
「何とか言いなさいよ……!?」
泣きそうな声と共にシュッ…と、細い手が振り上げられる。
「………!!」
ぎゅっと目を瞑り身構えた…瞬間――あたしに向かって振り下ろされた。
――――パンッ…!!
肌を張る音が辺りに響き渡った。
だけどあたし……
痛くないけど…?
「いてぇ……。」
「…ぇ……?」
痛くないあたしの変わりに呻いたモノ
目の前の広い背中を呆然と見上げた。
なんで…?
「夜……?」