子猫が初恋提供します。
夜は戸惑うあたしの手を引いて、なんの躊躇いも見せずその場を通り過ぎようとする。
その足取りに迷いはない。
背後からはすすり泣くような女の子達の声がした。
そうだよね…。
酷いことをする彼女達だけど、夜への想いに嘘はないんだ。
好きだからこそ、あたしの存在が我慢ならなくて…。
その想い人は大キライの一言だけで、罵倒すらしない…。
まるで無関心なのがよくわかっただろう。
何にも見てもらえない―――
それで嫌われて、終わる。
こんなにも想い誤るほど好きなのに。
「………っ!」
それは……あんまりだ。
「……!…にゃあ?」
急に足を踏ん張ったあたしに夜が振り返る。
あたしは
「そんなことしちゃダメ……!!」
「……!」
泣きそうな声で、叫んでいた。