子猫が初恋提供します。
「にゃあ?」
少し驚いたような夜の手をグッと掴んだ。
「ダメだよ…!みんな…夜が好きなんだよ?
こ…こんなのはよくないけど、でも夜が好きだから……!我慢出来なかったんだよ!」
必死に訴えるあたしの顔を、夜はきょとんとした顔をして見下ろしている。
「何が?今までもなんも興味なかったけど、俺はにゃあを傷つけるやつらはキライ。好かれても嬉しくねぇ。」
夜は不思議で堪らないとでも言いたげに、そうはっきり言い放つ。
女の子達からまたすすり泣く声が聞こえてくる。
「あ…あたしもよくはわからないけど、
…でも!好きって…そんな無視していい軽い気持ちじゃないよ…!!
夜は…大好きな人に心の中のいっぱいの好きを知らんぷりされたら…悲しくないの…?
夜だったらって、考えてみてよ……!?」
「………!」
詰め寄るあたしの顔を見て、夜の瞳が大きく見開かれる。
黒い瞳が、揺れていた。