誰よりも愛する君へ
「アタシ・・優斗が好きだと・・・思う・・」

「マジ?」

「うん・・・多分」

次ぎの瞬間、

「やったー!」

美加は店内に響くくらいの大きな声で叫んだ。

「美加!!KYだよ・・・」

アタシは小さな声で美加に忠告する。

美加は慌てて口を押さえた。

「ごめん。・・・KYだった?」

「うん、かなり」

「ごめん。で、どのあたりが・・・よかったの??」

「・・・大きな・・背中?」

「何それ」

美加は凄く怪訝そうな顔をした。

「たって・・アタシ、初めて人を好きになって・・・わかんない。ほんと好きなのかも・・・」

「私もわかんないよ」

「・・・ごめん」

「でも告白は気持ちがはっきりしてからだよ。中途半端な気持ちなら、優斗くん傷つけるだけだからやめときなよ」

「・・・うん」

美加にご注意を受けていると定員がポテトとコーラを運んできた。

美加は真剣に語っていて、大好きなポテトのことなんて眼中に入っていない。

「いいハル!今日のことは捺にも報告しとくから」

「うん」

「じゃあ、私、捺の家行くから!」

美加はポテトを一気に口に押し込むと氷の溶けたマズイコーラで口直しをした。
「バイバイ!」

美加の姿あっという間に夜の街に消えた。

アタシは少しの間マックでぼーとしていたが、眠たくなって帰った。





それから一週間は優斗からのメールもなかった。だからといってメールもする勇気もないアタシは唯、憂鬱な気持ちで時間を過ごすしかなかった。
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