誰よりも愛する君へ
車の中は凄く静かだった。
「優斗・・・ごめんなさい」
「・・・・・。」
優斗からの返事はない。
「ほんと・・・ごめんなさい・・」
静かすぎる空気に堪えられなくなったアタシはぽろぽろと涙を流した。
車内はアタシが鼻を啜る音だけが悲しく響く。
そんな時間が何分もすぎた後やっと優斗が口を開いた。
「・・・俺がどれだけ心配してたかって分かる?」
「・・うん」
アタシは泣きながら頷いた。
「もし、俺がこーへんかったらどうなっとたか分かる?」
「うん・・・グスッ・・」
優斗は自動販売機の前にゆっくりと車を止めた。
「・・・知らへん男についてったらあかんよ」
優斗の大きな手が優しくアタシの頭を撫でる。
「うん・・・」
優斗はアタシが落ち着くまでずっと頭を撫でてくれた。
「もう大丈夫?」
「うん・・大丈夫かな?」
「じゃあ・・まず、服どうにかするか・・・」
優斗は少し頬を赤く染めながら前に向き直った。
アタシは優斗の視線の先を目で追う。
「ッ・・・!!」